「パイロットになりたい」
そんな夢を抱いたとき、すでに社会人だったら?
年齢やキャリアを理由に諦めてしまう人も多いですが、社会人からでもパイロットになる道はあります。
もちろん、一朝一夕でなれるものでありませんが、正しいステップを踏めば空への扉は開かれています。40歳を超えて航空会社に採用されている人も多くはないものの、実際に存在します。
ここでは、社会人が「仕事を続けながら、パイロットを目指す現実的なルート」 を紹介していきます。
まずは「身体適性」があるかチェック
パイロットを目指す前に、まずクリアしなければならないのが 「航空身体検査」 。
これは、パイロットとしての健康状態をチェックする重要な検査であり、身体検査に適合しないとパイロットになることはできません。
✅ 「第一種航空身体検査」と「第二種航空身体検査」の違い
- 第一種 → 事業用・定期運送用操縦士(職業パイロット向け)
- 第二種 → 自家用操縦士
📍 検査項目の一例
✔ 視力(矯正可) → 片眼0.7以上、両眼1.0以上
✔ 色覚異常がないか → 色盲・色弱はNG
✔ 聴力・平衡感覚 → 飛行機の操縦に必要なバランス能力
✔ 心電図・血圧 → 心疾患や高血圧がないか
📌 航空医学研究センター https://www.aeromedical.or.jp/ のサイトから全ての検査基準と指定病院が確認できます。
👉 プロを目指すのであれば、第一種に適合するか、航空身体検査指定医に確認してもらうことが必須。(日本の場合、事業用操縦士資格を取らないと第一種は発行されませんが、その基準で適合するかどうかを確認しておくことが大切です。)
次のステップ:航空無線通信士資格の取得
パイロットとして飛ぶためには、航空無線通信士の資格 が必要になります。
航空身体検査と航空無線通信士の資格取得は費用も時間もさほどかかりません。
まずここまでを第一段階として捉えてください。
✅ 航空無線通信士の試験内容
- 無線工学(電波・送受信機・アンテナの基礎)
- 電気通信法規(航空無線に関する法律)
- 英語(管制との通信を想定した問題)
📌 試験は年2回。独学で充分合格できる内容。
👉 無線協会 https://www.nichimu.or.jp/kshiken/ から受験詳細をチェック。
📌 この段階までに資金計画と次に進む訓練校をリサーチしていきましょう!
航空無線通信士資格の取得にはこの2冊だけで充分です!(他の問題集や講習等は一切必要ありません。高額な認定資格講習会でなければ取得できないような場合、厳しいようですが、その先の勉強は難しいと考えるべきでしょう。)

「自家用操縦士」の資格に挑戦する
「いきなりエアラインパイロットを目指す」というのはハードルが高いです。
まずは、仕事を続けながら 「自家用操縦士(PPL)」 の資格を取得することから始めるのが現実的。
その中でこの先も勉強は続けられるか、自分に向いているか見極めていきましょう。
✅ 自家用操縦士(PPL)とは?
- 商業目的での飛行は不可
- 飛行機の基本的な操縦スキルを身につける
- 国内 or 海外訓練校で取得可能
📍 取得までの流れ
1️⃣ 訓練校を選ぶ(国内 or 海外)
2️⃣ 座学&飛行訓練(平均約60~70時間程度の飛行訓練が必要)
3️⃣ 学科試験・実地試験に合格
4️⃣ 自家用操縦士免許を取得!
📌 国内だとライセンス取得まで約300~400万円、海外なら150万円程度~(渡航・滞在費は別途)で可能。
👉 社会人でも連休や週末を利用して取得可能。少なくともここまでは仕事を続けながらトライしてみるのがポイント。(リスクが伴わない。)
📌 自家用ライセンスを取得する過程でいろいろなものが現実的に見えてきます。本当にその先に進むかどうかは自家用ライセンス取得時までに考えればいいのです。(訓練費も一括入金ではないところがベター)
👉 訓練校選びは日本人の合格実績(エアライン就職実績)があるところから選ぶことが大切。
自家用操縦士から「プロ」への道
「自家用操縦士(PPL)」を取得したら、次はプロとしてのライセンス取得を目指す。
仕事を辞めて訓練に専念できる環境が理想ですが、現実的に『ライセンス取得=就職』とは簡単にいかないケースが殆どだと考えてください。
難しいことですが、仕事は続けながら訓練に挑戦できるか検討してみましょう。(もちろん潤沢な資金がある場合は別です。)
✅ 多発限定・事業用操縦士(CPL)・計器飛行証明(IR)を取得する
- 自家用免許に加えて、夜間飛行・計器飛行などの訓練が必要
- フライト時間を積みながら、商業飛行ができるレベルまでスキルアップ
✅ エアラインや使用事業会社に就職する
- 就職先はエアラインだけとは限りません。測量などの使用事業会社、報道、海上保安庁なども有資格者を採用。
- 一般に年齢は若いほど有利。目安は35歳位と言われますが、実際はその個人とタイミングが全て。
- 英語能力は会社により要求レベルは異なりますが、英検準1級レベルがあれば安心。
📌 就職に必要なライセンスを取得するには、最低でも1,500万円~の資金が必要。
👉 会社を辞める前に、資金繰りについて十分に検討しましょう。(試験に一発で合格するとも限らない。資金が尽きて、途中で断念する人も見かけます。)
📌 資格は時間とお金をかければ取得できますが、就職は別物であることを理解しておきましょう。

飛行訓練費の捻出について
社会人がパイロットを目指そうと考えたとき、十分な預貯金等がある人はほとんどいないと思います。
現職や家族の有無、年齢等など、個人によって変わりますが、年間200~300万程の捻出ができれば、ローンを組まずに5~6年程度で有資格者募集の要件を揃えることは可能だと思います。
海外分は貯金等で、国内訓練は教育ローンを利用している人も多くいました。
前段にも書きましたが、ライセンス取得=就職と即座にいかないケースも多いと思うので、なるべくローンは少なくしたいと思う方も多いと思います。そこは年齢と相談し、なにより時間が貴重なケースもあることを念頭に判断することが必要です。
本気であれば、今より余分に副業などをして20万円程度稼ぐことは無理ではないと著者は考えます。
その稼ぐ力は一生の財産にもなるでしょう。

まとめ:社会人からパイロットになるには?
まずは、ここから始めよう!
✅ ① 航空身体検査を受けて、身体基準適合を確認
✅ ② 航空無線通信士の資格を取得
✅ ③ 仕事を続けながら、自家用操縦士資格(PPL)取得
✅ ④ その後、事業用操縦士資格(CPL)等を取得、プロの道へ進む
社会人からでも、つまり航大や自社養成が受験できなくても、パイロットになる道は開かれているのです。仕事をしながら挑戦できるか、まずは航空無線通信士の学習をしながら、検討を進めると良いと思います。
必要なのは、明確な目標、確実に一歩ずつ進むための計画と必ずプロになるという強い意気込みです!