航空業界の年収は高い。
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
一方で、
「実際はいくらなのか」
「職種によって違いはあるのか」
は、意外と正確に整理されていません。
この記事では、
噂や体感ではなく、公的な資料と公開情報を基に、
航空業界の年収を職種別に整理します。
あわせて、
将来的なインバウンド拡大を見据えた
業界の人材動向と待遇の変化についても触れていきます。
この記事で扱うデータの出典について
本記事で使用している年収データは、
以下のような情報源に基づいています。
- 厚生労働省
「賃金構造基本統計調査」 - 航空会社各社の
有価証券報告書 - 公開されている採用情報・OBデータ
個別企業の内部情報や、
出所不明な推定値は使用していません。
あくまで
「業界全体の傾向を把握するための目安」
として整理しています。
航空業界の年収は「職種で大きく異なる」
まず押さえておきたいのは、
航空業界の年収は一律ではないという点です。
航空会社の中には、
- 飛行機を操縦する人
- 機体を整備する人
- 現場を支える人
- 運航や経営を設計する人
など、
まったく役割の異なる職種が存在します。
その違いが、
年収の差としてはっきり表れています。
職種別|航空業界の年収目安
以下は、公的統計や公開資料を基にした
職種別の年収レンジです。
※あくまで目安であり、
年齢・経験・会社規模・雇用形態によって変動します。
パイロット(航空機操縦士)
- 年収目安:1,100万〜3,000万円前後
厚労省の賃金統計でも、
航空機操縦士は非常に高い水準にあります。
副操縦士から機長へ昇格することで、
年収は大きく変わります。
高収入である一方、
責任と専門性、身体的・精神的負荷も極めて高い職種です。
総合職(事業企画・運航企画・管理系)
- 年収目安:600万〜1000万円程度
- 管理職クラス:1,000万円超も現実的
総合職は、
路線計画、収益管理、経営企画、人事、安全管理など、
航空会社の意思決定を担う職種です。
現場に直接立つことは少なくても、
「どう飛ばすか」を設計する立場にあります。
安定性とキャリアの広がりという点では、
非常に現実的な選択肢です。
客室乗務員(CA)
- 年収目安:380万〜600万円程度
CAは航空業界の象徴的な存在ですが、
年収水準は一般的な大企業の平均と
大きくは変わりません。
勤務時間、乗務手当、経験年数によって
差が出る職種です。
航空整備士
- 年収目安:400万〜1000万円程度
国家資格を要する専門職であり、
安全運航を根幹から支えています。
資格や経験によって
着実に年収が上がる一方、
パイロットほど突出した水準ではありません。
地上職(グランドスタッフ・地上支援)
- 年収目安:300万〜500万円程度
空港での旅客対応や運航支援を担います。
雇用形態(正社員・契約社員)や
会社規模による差が大きい職種です。

航空業界は今、どんな状況にあるのか
ここで、
年収の背景となる業界構造にも触れておきます。
日本政府は、
将来的にインバウンド6000万人規模を見据え、
観光・航空インフラの強化を進めています。
その前提となるのが、
安定した航空運航を支える人材の確保です。
実際に、航空業界では、
- 人材不足の顕在化
- 採用数の回復
- 初任給・処遇の見直し
- 多様な人材活用
といった動きが進み始めています。
待遇が一気に改善する、
と断言できる段階ではありません。
ただし、
人を確保しなければ業界が成り立たない
という認識が、
明確になってきているのは事実です。
年収だけで判断しないために
年収は、
進路を考えるうえで重要な指標です。
ただし、
それだけで仕事の価値が決まるわけではありません。
航空業界は、
- 高収入だが負荷の高い仕事
- 安定的だが目立たない仕事
- 経営や構造を支える仕事
が組み合わさって成り立っています。
どの職種が正解か、
という答えはありません。
自分がどの役割を担いたいのか
を考える材料として、
年収データも参考になるかもしれません。
まとめ
航空業界の年収は、
一律に高いわけでも、
一律に低いわけでもありません。
公的データや公開資料を見ると、
役割と責任の違いが、そのまま数字に表れている
ことが分かります。
将来的なインバウンド拡大を見据え、
航空業界は今、
人をどう支え、どう育てるかを
改めて考え始めています。
年収という数字を通して、
航空業界の構造を冷静に理解する。
この記事が、
そのための判断材料になれば幸いです。

