2026年、
ANAホールディングスは、2028年度までにドローンを使った物流事業を全国で展開する方針を示しました。
この計画は、実証実験の延長ではなく、
ドローン物流を社会インフラとして位置づける構想です。
発表された計画の概要
今回明らかになった計画のポイントは、次の通りです。
- 全国にドローンの離着陸拠点を設置
- 各拠点に複数機を配備し、ネットワーク化
- 拠点から半径約500kmを一つの「面」としてカバー
- 平時は医薬品や生活物資を輸送
- 災害時には救援物資輸送や被災状況の確認を想定
単なる配送サービスではなく、
広域で機能する輸送網の構築を見据えています。
使用されるドローンの特徴
ANAが使用を予定しているのは、
米国の Skyways が開発した大型ドローンです。
- 全長:約3メートル
- 翼幅:約7メートル
- 最大積載量:約50kg
- 最大航続距離:約1,600km
垂直離着陸が可能で、
巡航時は固定翼として効率よく飛行します。
原則として自動運航を行い、
地上から遠隔で監視・制御する運用が想定されています。
なぜ航空会社がドローン物流に取り組むのか
この取り組みは、
「新しい事業への挑戦」というより、
航空会社の役割を拡張する動きと見ることができます。
航空会社はこれまで、
- 安全運航
- 運航管理
- 機体整備
- リスク評価
といった分野で、長年の知見を蓄積してきました。
それらを無人航空機に応用することで、
人が乗らない輸送でも、同じ思想で運航する。
その延長線上に、
今回のドローン物流があります。
日本のドローン法制度の位置づけ
日本では、ドローンの飛行は航空法の枠組みで管理されています。
機体の登録、
飛行空域や方法に応じた国土交通省の許可・承認が必要です。
特に、
目視外飛行や人口密集地での飛行は、
安全対策を前提とした審査対象となります。
近年は制度整備が進み、
一定の条件下で有人地帯における補助者なし目視外飛行も
法的に位置づけられるようになりました。
ただし、
実際の運用は慎重に段階を踏む必要があります。
ドローン物流が持つ発展性

ドローン物流の価値は、
単に人手を減らすことではありません。
道路や港湾に依存しない輸送手段として、
- 離島
- 山間部
- 災害時に孤立する地域
に対し、
新しい選択肢を提供できる点にあります。
ANAの計画は、
そうした可能性を現実の運用として成立させようとする試みです。
社会インフラとしてのドローン
今回の構想が示しているのは、
ドローンを「特別な技術」から
「当たり前に使われる輸送手段」へ近づける動きです。
人が乗らないだけで、
考え方は航空そのもの。
この視点は、
今後の物流や防災の在り方にも影響を与える可能性があります。
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個人レベルでの仕事やスキル習得という側面も持っています。
ドローンの始め方や将来性については、
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