経験者募集が示す、パイロットという仕事の将来性
なぜ今、パイロット不足が問題になっているのか
日本の航空業界では、パイロット不足がいよいよ表面化しています。
日本には約7,000人のパイロットがいますが、2030年までに更に多くの人材が必要と見込まれており、既存の人員だけでは不足が避けられないといわれています。
この背景には、次のような要因があります。
- ベテランパイロットの大量退職(50代以上が多い)
- 航空需要の世界的な回復と成長(特にアジア圏)
- 研修・訓練の時間とコストの高さ(即戦力が求められる)
そのため、「パイロット不足=資格を持っていれば誰でもなれる」という単純な構図ではなく、職業としてのパイロットの供給が追いつかないという深刻な問題になっています。

【最新動向】JALが経験者パイロットを募集する理由
JAL副操縦士(経験者)募集要項のポイント整理
航空各社は人材確保に向け、採用活動を強化しています。
特に大手の日本航空(JAL)では、即戦力となる経験者パイロットの募集を始めました。(副操縦士ポジション)。
これは単に人数を補うだけではなく、安全で効率的な運航を維持するための戦略でもあります。
主な募集要項
- 豊富な飛行時間と高度な実用機経験
- 国内外での即戦力としての適応力
- 英語能力などの語学要件
このように高い経験値を求めるのは、教育コストや訓練時間の削減、安全性の確保という航空会社側の事情が強いからです。
ZIPAIRが説明会を開催する背景にある人材危機
LCC(格安航空会社)であるZIPAIRも、オンライン採用説明会を複数回開催します。ここで注目すべきは、説明会自体が採用母集団を広げるための戦略であることです。
参加者は現役パイロットから直接話を聞きながら、実務や昇格制度について知る機会を得ています。
こうした施策は、単なる求人告知ではなく、「将来パイロットを目指す人への接点づくり」 という側面も持っています。

航空会社が「経験者パイロット」を求める本当の理由
訓練コスト・安全・運航維持という現実
パイロット教育には多額の費用と時間がかかる一方、航空会社はスケジュール通りの飛行運航を維持する責任があります。
そのため、即戦力となる経験者採用がより積極化しているのです。
また、パイロットが不足すると欠航や遅延が発生しやすくなり、企業の信頼性にも影響します。こうした点を避けるため、採用基準を高める傾向があります。
日本だけではない、世界的なパイロット不足
日本だけではなく世界中でパイロット不足が問題になっています。国際民間航空機関(ICAO)などの予測では、世界的にも需要が高まり続けるため、今後の人材確保は国際的な競争になります。
各国で退職年齢の引き上げや採用条件の緩和等も議論されており、航空人材は国際的な「争奪戦」の様相を呈しています。

パイロットという仕事に将来性はあるのか?
「不足=チャンス」と言える人、言えない人
結論から言うと、パイロットというキャリアには将来性があります。
需要は増え続ける一方で、供給が追いつかない環境は今後もしばらく続く見込みです。
ただし、採用市場では即戦力や高いスキルが求められるため、単に操縦士免許を持っているだけでは競争を勝ち抜くのは難しいという現実もあります。
未経験の有資格パイロットの方々は、その中で一歩秀でる何かが必要です。
今後、航空会社はどんなパイロットを求めるのか
これから価値が高まるパイロット像
今後求められるパイロット像は次のような特徴です
- ボーイング・エアバスなどの実用機経験
- 英語運用能力の高いグローバル対応力
- LCCなど多様な運航形態に対応できる柔軟性
これらのスキルは世界的にも価値が高く、将来的なキャリアの幅を広げます。

JTA機長募集が示す“地方路線”の危機
実は、パイロット不足が最も深刻なのは地方路線の運航維持です。
例えば、日本トランスオーシャン航空(JTA)がボーイング737機長候補者の募集を開始した背景には、地方路線での長期的な人材確保の課題があります。
深刻なパイロット不足と地方航空会社の現実はこちらの記事で詳しく解説しています
こうした動きは、航空業界全体のパイロット不足が単なる都市圏の問題ではないことを示しています。
パイロットを目指す人・続ける人が考えるべき現実
パイロットを目指す人にとって、現時点はまさに「チャンスの時代」でもあります。
需要は増えていく一方ですが、スキルと経験という競争力が鍵になります。
そして、航空会社は今後も多様なキャリアパスを提供していくでしょう。
パイロット不足の時代に、この仕事を選ぶ意味
- パイロット不足は日本国内だけでなく世界でも深刻化している
- 経験者採用は安全性と即戦力確保の現れである
- 求められるスキルは高度化しており、将来性は十分ある
- 地方航空会社でも人材確保は重要テーマである

