パイロットの2030年問題とは?
航空業界で今、大きな課題として注目されているのが**「パイロットの2030年問題」**です。
これは2030年をピークに、世界的なパイロット不足が深刻化すると予測されている現象を指します。
特に日本の航空業界では、少子化や訓練環境の不足により、パイロット不足が一層深刻化すると言われています。
なぜパイロット不足が起こるのか?
主な要因は以下の3つです。
- ベテランパイロットの大量退職:団塊世代のパイロットが一斉に定年を迎える
- 航空需要の増加:ポストコロナによる観光需要の回復と国際線の拡大
- 訓練機関の不足:国内の自社養成パイロットや航空大学校の受け入れ枠が限られている
大手2社を除き、航空会社の欲しい人材は、機長、もしくは実用機経験のあるパイロットです。
2030年に必要とされるパイロット数
ボーイング社の予測によると、2030年までにアジア太平洋地域だけで24万人以上のパイロットが必要になるとされています。
特に日本では10年後、約5000人のパイロットが不足すると試算されています。
年度 | 日本のパイロット需要 | 供給予測 | 不足人数 |
---|---|---|---|
2025年 | 6,000人 | 5,800人 | 200人 |
2030年 | 7,000人 | 5,000人 | 2,000人 |
2035年 | 8,000人 | 4,800人 | 3,200人 |
パイロット不足はチャンス!航空業界でのキャリアの未来
パイロット不足は航空業界を目指す人にとって大きなチャンスでもあります。
ANAやJALでは、2030年に向けて自社養成パイロットの採用枠を大幅に拡大しています。
上記大手航空会社以外でも自社養成や訓練支援制度・推薦制度があります。
今回はANA・JALの採用人数を見てみましょう。
ANAのパイロット採用計画
- 2023年度:50名採用
- 2026年度:65名採用
- 2030年度までに毎年約100名採用予定
JALのパイロット採用計画
- 2023年度:40名採用
- 2026年度:50名採用
- 2030年度までに毎年約70名採用予定

パイロットになるためのキャリアプラン
パイロットを目指す人は、以下の4つのルートが主流です。
- 航空会社の自社養成パイロット
- 航空会社が直接パイロット候補を採用し、会社が訓練費用を全額負担する制度です。
- ANAやJALの自社養成制度では、安定したキャリアを築くことができます。
- 給与を貰いながら訓練を受けられるのが自社養成の魅力です。
- 航空大学校(航大)への進学
- 国立の航空大学校でパイロットの訓練を受け、卒業後に航空会社へ就職するルートです。
- 学費が比較的安く、国の支援を受けながらパイロットを目指します。
- 私立大学の航空操縦学科からライセンス取得
- 日本航空大学校や東海大学などの私立大学で訓練を受け、ライセンスを取得するルートです。
- 近年では私立大学の採用枠も拡大しています。
- 学費+訓練費で2000~3000万円程度必要。
- 自費でのライセンス取得
- 海外の飛行学校などでライセンスを取得し、パイロットとしての経験を積んだ後に航空会社に応募する方法です。
- 費用が高額になるため、計画的な資金準備が必要です。(1500~2000万円程度)
参考資料
国土交通省航空局 航空整備士・操縦士の人材確保・活用に関する検討会
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk5_000146.html
合格のためのポイント
- 英語力(TOEIC 700点以上)
- 第一種航空身体検査適合・適性試験対策
- リーダーシップ(マネジメント)経験のアピール
まとめ|2030年は航空業界の転換期
パイロットの2030年問題は、航空業界の大きな課題であると同時に、夢を叶える絶好のチャンスです
特にANAやJALでは採用枠が大きく広がっており、今後ますます多くの人に門戸が開かれています。
パイロットの夢を叶えるなら今がベストタイミングです!
興味のある人はネットで調べたり、書籍を読んだりして研究を進めてください。
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